衆参両院での統一会派結成に踏み切った国民民主党の玉木雄一郎代表と自由党の小沢一郎代表は、1月28日に初めてそろって街頭演説を行ない、1月31日には、橋下徹・前大阪市長がホスト役をつとめるAbemaTVの冠番組『NewsBAR橋下』にゲスト出演した(録画収録。放送日は2月7日)。その後の囲み取材で、橋下徹氏と手を組む可能性について、玉木雄一郎代表は、饒舌に答えている。
その、玉木氏の「ぶっちゃけ」囲み取材の中で、玉木氏の秘書は「(小沢氏は)橋下さんに秋波以上に、(政界復帰への要請を)明確に送っていました」と証言している。橋下氏に対する小沢代表の「評価」は、果たしていかなるものなのか?
2月5日、自由党の小沢代表は、山本太郎共同代表と共に共同記者会見に臨んだ。
「野党のさらなる結集に向けて動いていかれるということですが、理念に開きがある勢力と組織を一つにする時に、どういったことを念頭においてまとめていかれるのか」との質問を受けた小沢代表は、「政党、政治家個人もそうですが、自分自身の主張を現実化していくためには、政権を取らなくては、単なる意見に過ぎなくなってしまう。多くのみんなで力を合わせて政府与党と対峙することが大事です」と、答えた。続けて小沢氏は「政策的に細かい議論をするということをしていけば、十人十色、各党いろいろあるわけですから、まとまるはずがないんです」と、政権奪取への明確な意思を表明した。
日仏共同テレビ局フランス10の及川健二記者に、玉木代表、橋下氏と3人でAbemaTVに出演して話した感想を聞かれた小沢代表は、前日に急に出演が決まった経緯を語った後、話の中身については「具体的な話に及んだわけではありません」とかわし、「『野党がしっかりせい』という結論になったかな」と述べた。そして「諸君がニュースにするほどの話ではありません」と、会見に臨んだ記者たちを牽制するかのように答えた。
その上で及川氏からのもう一つの質問である、橋下氏への評価について、小沢代表は「彼自身も言葉で言ってるでしょう。まずは、政権を取ることが最優先だと。それから、ポピュリズムを(人は)馬鹿にするけれども、民主主義の政治にはそれが必要だ」と述べ、その2点において橋下氏を「大きな要素を備えた人だ」と高く評価した。
戦後史上最悪の政権である安倍政権を打倒するという「大義」のためにならば、多少の「小異」は目をつぶるべきだ、という小沢氏の主張は、わからなくもない。しかし、橋下氏の政治理念や政治手法の「異質性」は、民主主義にとって「小異」といえるレベルのものだろうか?
橋下氏は、既存の権力に威勢よく楯突く姿を演じつつ、現状に不満を持つ人々の心を巧みにすくいとり、野党のふりをしながらその実、与党補完勢力「ゆ」党として、維新の舵取りをしてきた。維新の「ゆ」党路線を築いた張本人でありながら、最近は国政政党維新のそうした姿勢をバッシングしている。
また、「独裁」をたびたび肯定し、自らに異議を唱える者に対しては容赦ない攻撃を加える攻撃性についても、これまで、多くの方が問題として指摘している。
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- 維新の党の「圧力文書」で言論封殺に晒された藤井聡京大教授 それでも「都構想は『人災』だ」と断言!岩上安身によるインタビューで大阪都構想の「ウソ」を暴く! 2015.5.15
IWJはこれまで、橋下徹氏と、彼が率いてきた与党の補完勢力「ゆ」党としての維新の会に関して、取材を重ねてきた。果たして橋下氏が、「ポスト安倍」の総理候補として、野党に担がれるにふさわしい人物かどうか、ぜひとも多くの方々が真剣な関心を寄せ、検討していただきたいと思う。
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また、橋下氏が、「岩上安身のたった一つのリツイートに対して、100万円の損害賠償を求める」という、そのセコさにおいても、言論圧殺の破壊力においても、ギネス級のスラップ訴訟を起こしていることも、もっと広く知られるべきだろう。