4月7日に投開票を迎えた2019年統一地方選前半戦。一度は否決された大阪都構想の住民投票をもう一度やりたい(実際には都構想実現まで何度でもやりたい)大阪維新の会は、「民意を問う」と称して松井一郎大阪府知事と吉村洋文大阪市長が同時に辞職し、立場を入れ替えて立候補する「スワップ選挙」に臨んだ。
都構想の住民投票実現には、大阪府知事、大阪市長の2勝に加え、大阪府議会と大阪市議会、両方での維新の議席単独過半数が必要とされていた。
結果は、府知事選と市長選ともに完勝。特に府知事となった吉村氏は226万票と、対抗馬となった元府副知事の小西禎一氏の125万票に対し、圧倒的な強さを見せつけた。
定数88の府議選には51議席を確保し、定数83の市議選では40議席を確保したものの、過半数に2議席及ばなかった。
- 法定協再開 協議へ 維新、府議過半数 市議も上積み(日本経済新聞、2019年4月8日)
大阪では「自民・公明と対決し、古い政治を打ち破る維新」という幻想が今も健在であり、有権者からの根強い支持を保っている大阪維新の会(国政政党・日本維新の会)。しかし現実には官邸と深い関係を持ち、安倍総理の悲願の改憲を側面支援する与党補完勢力に他ならないことが選挙後にあからさまとなった。