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Channel: 橋下徹 – IWJ Independent Web Journal
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橋下徹氏によるリツィートスラップ訴訟の一審判決は9月12日!大阪地裁の判断にぜひご注目を!!

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 IWJの岩上安身が橋下徹元大阪府知事から名誉毀損で損害賠償請求されているスラップ訴訟の判決の言い渡しが、いよいよ9月12日木曜日午後1時10分から、大阪地裁第1010法廷にて行われます。

 恫喝訴訟、あるいは威圧訴訟とも言われるスラップ訴訟。このような「リーガル・テロリズム」に対して、大阪地裁がどのような判断を下すのか、市民の皆様にぜひ見届けていただきたいと思います。

(場所)大阪地裁第1010号法廷
(時間)判決言渡 午後1時10分

 なお、判決言渡後(午後1時20分メド~)、大阪弁護士会館904号室にて報告集会を予定しています。また、大阪司法記者クラブ主催の記者会見は午後4時から行われます。IWJではこの記者会見を中継(録画・後日配信予定)する予定です。

橋下徹氏による岩上安身へのスラップ訴訟

 この裁判は、「橋下氏が大阪府知事だった時代に、府の幹部を自殺に追い込んだ」という内容のツイートを岩上安身がリツイートし、その後そのリツイートを削除したにもかかわらず、このリツイートしたという行為が「名誉毀損にあたる」と橋下氏が主張して、2017年暮れに損害賠償請求を起こしたスラップ訴訟です。

 橋下氏は2008年に大阪府知事に就任後、大手メディアを通じて公務員バッシングの手法で大阪の人々の感情に訴え、絶大な支持を集めてきました。

 その一方で、現場で働く公務員への締め付けが進み、職場環境は大幅に悪化しました。大阪府庁では例年1人程度だった自殺者が、橋下氏が府知事に就任した2年後の2010年には、なんと7名もの自殺者が出るという事態に至りました。

 橋下府知事下で府庁内の自殺者が急増したことは、すでに数々の報道がなされている客観的な事実です。特に2010年秋、ある参事が入水自殺した事実は、府議会で追及され、橋下氏はいったん管理監督責任を認めて謝罪しました。この事実については、翌2011年にかけて様々なメディアによる報道が行われ、広く知れ渡ることとなりました。現時点でもそれらの報道や府議会の記録はネット上で誰でも読むことができます。

 橋下氏はこれらの報道に対して、抗議も、ネット上の記事の削除の要請も、訴訟も起こしていません。この点についてはこれまでの口頭弁論の中で認めています。

 こうした先行報道の指摘した事実にもとづき、一般市民が橋下氏に向かって直接パワハラを諌めるツイート行い、それを岩上安身が「単純リツイート」したことが名誉毀損にあたるとして、橋下氏は、2017年の暮に、唐突に訴状を送りつけてきました。事前に内容証明を送ることもありませんでした。その訴状が届いたのは、12月27日、年末年始で、すぐには応訴できない時期を狙って嫌がらせをする典型的なスラップ提訴の手口でした。

 橋下氏の要求は、ただ単に100万円という金銭を求めるというものだけでした。本来名誉毀損の裁判とは、報道等によって失われた社会的信用の回復を目指して行なわれるものであり、そのため謝罪・訂正文の公表などが要求の第一に掲げられるものです。ところが橋下氏の訴状には金銭の要求以外何もなし。謝罪・訂正文の公表などについては一切求めていないのです。橋下氏の提訴が、社会的信用の回復を求めるものでないことは明らかです。

先行報道が指摘した事実を踏まえた上での、論評的意味合いを含む表現行為は憲法二十一条で保障された表現の自由の一つとして最大限の保護が与えられるべきもの

 これまでの口頭弁論の中で岩上安身の弁護団は、「橋下氏による訴えは訴権の濫用であり、訴えそのものを却下するべきである」こと、「本件での元ツイートは、先行報道により明らかにされている内容からも、既に周知となっている事実にもとづいており、(岩上安身によるリツイートは)名誉棄損には当たらない、何ら違法性を帯びるものではない」ことなどを主張してきました。

 また、「元ツイートの内容(および岩上安身によるリツイート)は、先行報道の指摘した事実を踏まえた上で、橋下氏の言動への論評的意味合いを含む表現行為であり、その論評は憲法二十一条で保障された表現の自由の一つとして最大限の保護が与えられるべきものであり、正当な言論行為として評価されるべきものである」ことなども強く主張してきました。

元大阪府職員の大石あきこ氏が岩上側証人として証言台に

 また、2019年3月27日に大阪地裁大法廷で開かれた第6回口頭弁論では、元大阪府職員の大石あきこ氏が、岩上側証人として証言台に立ち、橋下府知事時代の過酷な職場環境について、胸に迫る証言を行いました。

 2008年2月に橋下徹・大阪府知事が就任後、3月13日初の朝礼が行われた際に、報道陣のテレビカメラが多数並ぶ中で、大石氏は橋下氏に府職員のサービス残業の多さを直接訴えた人物でもあります。

 朝礼で登壇した橋下氏は開口早々、「本当は始業前に朝礼をしたかったが、超過勤務になると言われてできなかった」「民間では始業前に準備や朝礼をするのが普通。そんなこと言ってくるなら、勤務時間中のたばこや私語も一切認めない、給料カット!」と、厳しく職員を叱りつけました。

 その上で、「意見があるなら、言って!」と述べた橋下氏に対して、大石氏は立ち上がり、「どんだけサービス残業やってると思ってるんですか!?」と発言。このやり取りは当時多くのメディアが報じました。

 大石氏のこの訴えに対し橋下氏は、「サービス残業、してくれているのはありがたい」などと発言。本来違法であるサービス残業を「ありがたい」と肯定したのでした。

 大阪府庁の公害対策部門で働いた経験を持つ大石氏は、第6回口頭弁論における証言で、橋下府政の「行政改革」で府職員にノルマを課し、安易に数値化して勤務業績を評価したことの問題点を端的に指摘しました。大石氏の言葉は、そうした職場環境におかれた府職員の苦しさを切実に伝えるものでした。

 また、大石氏は府職員の長時間労働・サービス残業の問題、そして、その背景にあったパワーハラスメント問題にも言及しました。一方、橋下氏は、自身の府政改革に批判的な職員に対してもパワハラをするようなことはなかったし、告発するようなこともなかったと抗弁しています。

 さらに大石氏は、橋下氏がマスコミに対して圧倒的な影響力を有していたこと、および府庁の人事権を持ち普段から分限免職(公務員の懲戒以外の解雇)をちらつかせ、府の職員が抗議の意思を表明することの難しくしていたと語りました。反対尋問では、原告の橋下氏が、代理人の弁護士を押しのけて自ら尋問する異例の場面もありましたが、大石氏は毅然とした話しぶりを貫きました。

岩上安身の丹念な取材で明らかになった橋下氏の事実と異なる主張

 元ツイートの内容は、前述の2010年秋に起きたある参事の自殺をめぐるものでした。、この自殺には橋下知事の訪台をめぐる府庁内でのトラブルが影響を与えてたのではないかとの見方を、複数のメディアが報じていました。

 元ツイートの内容の真実性・真実相当性も争点のひとつとして争われたこの裁判では、当時の知事訪台をめぐる「訪台中に台湾政府要人とは会わない」という「方針決定の過程」が問題となりました。

 陳述書のなかで橋下氏側は、この「方針」は「大阪府戦略本部会議」で機関決定されていたことであり、「大阪府戦略会議」において、副知事や幹部たちと協議を重ねてきました」などと繰り返し説明をしてきました。

 その上で、訪台後に初めて台湾の経済担当大臣との面会がセッティングされていることを知り、「絶対に認めるわけにはいかない」との心境になり、帰国後に開かれた「大阪府部長会議」において「大阪府戦略本部会議で決めた方針について、担当部局の細部にまで意思共有ができていないことの問題点を指摘」し、「叱責」したと橋下氏は主張しています。

 ところが、橋下氏が議論のうえ機関決定したと主張してきた「戦略本部会議」と「部長会議」の議事録を岩上安身が丹念にチェックをしたところ、そこではまったく議題として取り上げられていないことが明らかになりました。この議事録はネット上で、すべて大阪府のホームページ上にアップされているので、誰でも確認することができます。

 また、IWJによる府の担当者への取材によって、「戦略本部会議で訪台について話し合われたことは一度もなく、決定もされていない」「部長会議についても同様」であることもわかりました。橋下氏は事実と異なる主張していたことが明らかとなりました。

 橋下氏によるこのスラップ訴訟について大手メディアはまったく報じていませんが、フリージャーナリストや独立メディアは、この口頭弁論の内容を詳細に伝えています。

 ジャーナリストの浅野健一氏は、ハーバービジネスオンラインに「元大阪府知事がジャーナリストを名誉毀損で提訴。しかし、法廷で証言の矛盾を追及される」(2019年4月13日掲載)との記事を寄稿。また、自身のブログ「浅野健一のメディア批評」で、ハーバービジネスオンラインの記事でふれていなかった内容を含む記事を投稿しました。まだお読みになっていない方は、ぜひこの機会にご一読ください。

 さらに、『進歩と改革』第810号(2019年6月)には、浅野氏の「安倍首相官邸と壊憲狙う『維新』橋下徹氏の危険性」が掲載されています。この記事は、本スラップ訴訟とあわせ、安倍官邸と橋下氏による改憲に向けた動きを報じるものです。こちらはぜひ、お手にとってご一読いただければと思います。

 4月19日には、リテラが、橋下氏によるスラップ訴訟の第6回口頭弁論について、記事を掲載しました。

 また、岩上安身とIWJは、言論を封殺し民主主義の根幹を破壊するスラップ訴訟について、その危険性を訴え続けています。スラップ訴訟の特集ページを開設していますので、ぜひ下記URLよりご覧ください!


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